【建設業許可の要件】
社会保険等について
令和2年10月1日から社会保険(厚生年金保険・健康保険)と雇用保険に入っていることが要件化されました。
建設業法施行規則にも許可の基準として健康保険、厚生年金保険、雇用保険についての届出をしていることが必要と記載されています。
さらに、社会保険や雇用保険の書類は提出書類になったので、新規許可を取る際には注意が必要です。
では、社会保険や雇用保険についての建設業許可での必要書類や本当に加入義務があるのかを解説していきます。
1.建設業許可要件:社会保険と雇用保険は必ず必要なの?
結論から申し上げますと、適用事業所は必ず必要です。入っていないと許可が取れません。
建設業法施行規則には下記のように記載されています。
二 次のいずれにも該当する者であること。
イ 健康保険法(大正十一年法律第七十号)第三条第三項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)第十九条第一項の規定による届書を提出した者であること。
ロ 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第六条第一項に規定する適用事業所に該当する全ての営業所に関し、厚生年金保険法施行規則(昭和二十九年厚生省令第三十七号)第十三条第一項の規定による届書を提出した者であること。
ハ 雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第五条第一項に規定する適用事業の事業所に該当する全ての営業所に関し、雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)第百四十一条第一項の規定による届書を提出した者であること。
e-Gov法令検索建設業法施行規則第七条第二項より引用
建設業界の労働環境を少しでも改善し、人材の確保ができる環境にしていくために設置されました。
適用事業所か否かについては、社会保険は年金事務所、雇用保険は公共職業安定所(ハローワーク)ヘご相談ください。
また、加入の手続き等は社会保険労務士(社労士)さんにも相談が可能です。
注※令和4年10月から社会保険の適用範囲が拡大されました。
短時間労働者(アルバイト・パート)を除く被保険者の数が100人以上かつ、短時間労働者(アルバイト・パート)を雇っている方はご注意ください。
詳しくは年金事務所HPをご覧ください。
2.確認資料一覧表(大阪府知事許可の場合)
社会保険等については、下記①と②の書類が必要です。
※被保険者整理番号および基礎年金番号については、上記のように必ずマスキングをしてください。
参考:(厚生労働省:医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について)
①健康保険・厚生年金保険(提出書類)
ア 健康保険(全国健康保険協会)に加入の場合
下記のいずれか
・納入告知書 納付書・領収証書の写し(毎月20日ごろ3枚つづりで送られてくるもののうち3枚目)
・保険料納入告知額・領収済通知書の写し(毎月20日ごろ送られてくる横長のもの)
・社会保険料納入確認(申請)書(受付印のあるもの)の写し
・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書の写し(毎年1回、定時決定の提出時に返却されるもの)
イ 組合管掌健康保険に加入の場合
・(健康保険について)健康保険組合発行の保険料領収証書の写し
・(厚生年金保険について)上記アのいずれか
ウ 国民健康保険に加入の場合
・(厚生年金保険について)上記アのいずれか
※なお、健康保険・厚生年金保険の資格取得届出をした直後で、「健康保険・厚生年金保険者標準報酬決定通知書」が届いていない場合、日本年金機構の受付印のある「健康保険・厚生年金保険の資格取得届」の写しの提出で受付自体は可能です。
しかし、「健康保険・厚生年金保険者標準報酬決定通知書」が手元に届き次第、写しを提出しなければ許可通知書が発行されません。
②雇用保険(提出書類)
ア 保険料の支払いが発生している場合(下記のいずれか)
・「労働保険概算・確定保険料申告書」及び「領収済通知書」の写し
・「労働保険料等納入通知書」及び「領収済通知書」の写し
・許可申請時直前の保険料納付にかかる雇用保険料納入証明書
※提出の目的が建設業許可になっている、提出先が正しく記載されていることが条件です。
イ 事業所設置後保険料の支払いがまだ発生していない場合(下記のいずれか)
・雇用保険被保険者資格取得等通知書(事業主通知用)
・雇用保険適用事業所設置届 事業主控(提出先での受付済印)
上記、アもしくはイのうちいずれかの書類が必要です。
まとめ
以上、建設業許可要件の中の社会保険等について解説しました。
社会保険や雇用保険についての書類はすべて提出書類となりましたので、お気を付けください。
また、社会保険については最寄りの年金事務所、雇用保険については最寄りの公共職業安定所(ハローワーク)にご相談ください。